有り難かった女将さん???
様似はJR日高線の終着地です。
様似町の綺麗な景色を観るでもなし・・・、
かと、言って様似町で獲れる海の幸をお腹いっぱい食べて
帰るでもなし・・・、
ただひたすら、右に太平洋を、左に広い牧場で春の若草を食べている
サラブレットを眺めながら「トコトコ~」と列車の旅をしている方が
いらっしゃいます。
昨夜もこのパターンでお越しになった滋賀県からのお客様が居ました。
予約の際、私の直感で「もしかしたらこの方は?」と思ってましたが
昼過ぎに到着したY様はヤッパリ身体にかなりの障害を
持っていらっしゃいました。
「杖を付きながらもこの長い列車の旅をしてきたのか?」と。
胸がいっぱいに。
夕食も朝食も私の判断で「部屋食」
たったひと晩でしたがこのY様とはブログの中には書ききれない位、
沢山の触れ合いをしました。
体力にはかなり自信があったお父さんは・・・
浴槽からY様を持ちあげるだけで力尽き「ワ~ッ!共倒れ?」
頑張れたんだと。
「やれやれ~」服を濡らして浴室から戻って来ました(^_-)-☆
介護なんて全くした事のなかった私は
「予約を受けた以上は手厚く介護してあげよう」と決めて接したことでした。
私は「女将」の立場を、お父さんは「宿主」の立場を捨てて
俄か介護士?になって奮闘しました。
他の滞在さん達も廊下で私達の拙い介護を?
静かに見守って下さいました。
「ご迷惑を掛けてしまいましたがみんな感謝していま~す」
今朝午前8時13分
最終目的地の「えりも岬」へは無理と判断をして苫小牧行きに
乗せてあげました。
始発と言うこともあって車内はY様ひとり。
でも・・・こんなにガラガラ空いててもY様は「優先席」に。
出発間際、不自由な体にもかかわらず席を移動、私の見える側に移り
何度も手を振って下さいました。
今日の目的地「青森」まで。
「どうぞお元気で行ってらっしゃ~い!」
聴くと10年前の交通事故で左半身が不自由になり
「最近では段々、空(天国)が近くなって来てね~女将さん?」と
言っていたY様でしたが
列車に乗られる時には
「女将さん、前を向いて歩いていきますわ~!」と言うまでに元気になり
「私達のお世話?ちょっとは役に立ったのかね~お父さん?」
支払いの際に出た3000円のお釣り、
「女将さんにしてもらったことが有り難くてこれはチップさぁ!」と。
「お父さんと半分こしま~す」
手前の大きな私の手とY様の手、別れの握手。
「お互いに前を向いて歩いて行こうね~」
朝の掃除をちょっとだけ抜けてY様を見送りました。
「今夜はどこの?どんな宿で?どんなお世話になってるのでしょうか?」
今夜のブログはY様から了承を頂いて書きました。